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MOONSTAR, SYNERGY CRAFTS MOVIE

MOONSTAR, SYNERGY CRAFTS MOVIE

CL : MoonStar
Movie : Shinji Sadamatsu

この動画は、ムーンスターの旗艦店「ALSO」が発行する季刊誌「Magazine ALSO」の告知用に撮影したもので、それを「SYNERGY CRAFTS」シリーズのブランドサイト用に再編集しました。

「SYNERGY CRAFTS」は、ムーンスターのスニーカー作りのノウハウと、官公需向けの革靴を作り続けている佐賀工場の技術を掛け合わせた新しい製法のシリーズです。アッパーには足を包み込むように仕上げるマッケイ製法、ソールには足裏の形状を忠実に再現することができるダイレクト製法を組み合わせることでスニーカーのような履き心地の革靴が生まれました。革材には兵庫県姫路市のタンナーで作られた風合いと頑丈さを兼ね備えたコンビなめしのオリジナルレザーを使用しています。(引用)

動画は、靴製造の過程を淡々と映し出しながら、靴が仕上がりに近づくにつれてスズメやカッコウの鳴き声が聞こえてきます。カッコウの鳴き声は「下界の気配」…. つまり「世界」を表現しています。靴は「世界」を自分の足で歩くための道具です。

カッコウの鳴き声を動画に挿入しようと思った発想の根幹は、敬愛する画家、牧野伊三夫さんが雑誌のインタビューで答えている言葉にインスパイアされたからです。(下記に引用します)

「テレビをつけることは、まずないですね。最近は『今日うれしかったこと』を言い合うのが気に入っています。小さいことで良いんです。朝にカッコウが鳴いてたとか、季節を過ぎた衣類をついにしまえたとか。一日の終わりって『今日も何もできなかった』なんて焦ったりしますよね。でもこうして、ささやかなことを振り返っていると、今日は今日でいい日だったなって、思えてくるんです」

Magazine ALSOのコンセプトは「A Whole New World(新しい世界)」。見過ごしがちなありふれた日常にこそ大切なものがきっとある、というメッセージを込めています。

まさしく牧野さんの話は、何気ないささやかな日常の愛おしさ、その尊さ、ありがたさを表しているものだと思います。