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KOSAKA UNITEN KISSA SHITSU

KOSAKA UNITEN KISSA SHITSU
2025

壱長崎は岐島にある、ライターの小坂章子さんの実家の雲丹店に隣接した喫茶室のロゴを制作しました。
小坂さんの存在を知ったのは今から随分前で、彼女の著作『印度徒然草』か『福岡喫茶散歩』だったと思います。随分前から知っていたものの、一緒に仕事をするようになったのはほんの五年前から。仕事をするようになった縁から、ご実家の雲丹店のWebを制作さえていただき、今回は喫茶室のロゴを依頼くださったのでした。

小坂さんといえば、珈琲美美さんと懇意にしているという印象が僕の中に強くあって、まだ一度も行ったことがないお店なのですが、ご自身のお店もきっと、なんとなく美美さんの雰囲気を纏っているんじゃないか、目指しているんじゃないか、と勝手に考えました。お店のカウンターの左官仕事は日田の原田左官の手によるもの。土を感じる茶系の壁。美美の文字は僕の友人でデザイナーの前崎くんのお父さんが書いたものですが、なんとなく小坂さん自身も「民藝」は好きだろうし、型絵染の切り文字のようなロゴだと雰囲気が合うだろうな、と思い、柚木沙弥郎や芹沢銈介の民藝文字など、喫茶室のロゴに合いそうな文字の資料をいろいろ集めて研究しました。約一年ほどかけてようやく出来たのが今回のものです。

特に気をつけたのは、あまりに本格的な切り文字だと大御所感が強すぎて実際の小坂さんが運営するお店とイメージがかけ離れてしまう。まだ焙煎も未熟だろうし、お店の運営も初めての彼女の「ウブな感じ」も体現できていなければ嘘になってしまう、と思い、そういうニュアンスも文字のフォルムに取り入れたつもりです。