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AlSO MOONSTER

ALSO MOONSTER
2020

Client : MoonStar Company
Concept Making, Art Derection, Graphic Design, Photograph
and Article : Shinji Sadamatsu, Chika Sadamatsu(Article)

●仕事の概要
福岡県久留米市に本社と自社工場を置く株式会社ムーンスターが約三年前から準備を進めていた初の旗艦店となる『ALSO MOONSTAR』のコンセプトメイキング(ショップの価値観や世界観をまとめた5つの態度(=ステートメント))をベースとして、ショップのネーミング、ロゴ、サイン関係、リーフレットの編集・デザイン、テキストライティング、スチール撮影、を担当しました。今後はALSOの季刊誌も発行予定。
建築・設計:下川徹 氏 http://torushimokawa.com/ http://torushimokawa.com/archives/works/also_moonstar

●ショップの世界観⇨価値観
当初、ショップのネーミングとロゴ、そしてコンセプを解いたテキストのオファーをいただきましたが、聞くと、既に三年前からプロジェクトが動いているということがわかり、到底三年のタイムラグを一気に埋めることは不可能だと考え、ネーミングはチーム全員で考えたいと申し出ました。僕がファシリテーターとなり、ワークショップ形式で、ショップの価値観、世界感など詳細を確認(共有)し、言葉になっていない部分は、補完したりしました。個人的にはそこがこの仕事の最もユニークな点だと感じています。また、下川徹氏のプレゼンテーションにも立ち合う機会にも恵まれ、ショップの内装をより具体的にイメージできたのも大変良かったです。

下川氏のプレゼン以降、店内にディスプレイしたい植物や本、流したい音楽のプレイリスト、働くスタッフの雰囲気、店全体の空気感などイメージしていることを事細かにヒアリングしました(というより、具体的にイメージしてもらったとも言えます)。そして、一番のポイントが〝なぜ〟への『理由』。

なぜ、その本を置きたいのか、なぜ、その花器を飾りたいのか。「こうしたい」「こう感じてもらいたい」といった、普通はあまり気に留めない事柄にある『理由(=なぜ)』を尋ねました。
それから、5つのマインド(価値観。後に5つのステートメントの原型となる言葉)を提示し、ネーミングを考える準備を整えました(『そういう空間をなんと呼ぶのか?』)。
僕はこの仕事において、ネーミングを考えることはさほど重要視していませんでした。僕にとって重要だったのは、チームが納得しながら進んでいけるプロセスを考え、それを提供できたことでした。皆の中にあるもの、埋もれているものを引き出す大切さをあらためて再確認しました。

●ロゴの考え方
□別の意味や誤読を招かない素直な字体であること。
□(ロゴ然とせず)出来るだけ作為がなく、飾りや個を排した「アノニマス」な字体であること。
 ⇨ムーンスター製品を体現するような佇まいであること。
□それでいて、引っ掛かりがある字体であること。
□ロゴタイプに止まらず、「英文書体」として展開できる『フォント』であること。
そして、既存のアノニマスデザインを参考にしつつ、主観の余地、気配、痕跡をできる限り排除して、客観的且つオリジナルな字形を追求したい。
…など、ロゴを作る上で気をつけたい点を設定しました。

『ALSO』の4文字の中で、『S』のカーブは任意の点を結んだ、いわば主観的な曲線で形成されています。
これを客観的で必然的な意味づけ、方法で作字し、『S』を起点にして残りの『A、L、O』を制作しました。

そこで着目したのが、工業製品である『S字フック』。『S字フック』の楕円、円、直線で出来た形状を参考に作字し、それを基準に残りの『A、L、O』を制作しました。