DRAW AND PAINT
絵を描かなくなったのはいつからだろう。仕事でイラストを描くことはあったが、個人的なアートワークをやめてしまったのは特にきっかけがあったわけではなく、デザイナーになってから、「デザイン」に夢中になってしまい、自然に絵を描かなくなってしまった。
しかし何年か前から、内面の奥底から湧き上がるように沸々と「絵」が描きたいと思うようになっていた。けれどなかなか重いコシが上がらない。そんな時、うちに遊びに来た友人でイラストレーターの寺山さんが、仕事のほとんどをiPadで描いていると話してくれた。Procreate®️というアプリとApple Pencilを使ってデモンストレーションまで見せてくれた。早速、僕のiPadにもアプリをインストール。HPのトップ画像にもいくつかアップしているけど、気に入っているブラシで、カリグラフィも描けるのでとても便利だし、何度も書き直せるし、筆も机も汚れないのも気に入っている。
今年の夏頃だったか、知り合いが企画した展覧会に参加することになった。そのことがきっかけとなってProcreate®️で数点、作品を制作した。どれも思うままに手を動かして描いたもので、なんとなく個人的には「描く勘どころ」を思い出せた気がしている。具体的な像をなしてないが、それが今の僕の気分なのだろう。絵を描くというよりも文字を描いている感覚に近い。絵を描いているというよりも、何か音を紡いでいるような感覚…ミキサーで複数の音声信号を混ぜ合わせたり、音量を調整したりしているようだった。無論、僕はミキサーなど操作できないが、絵を描いているのに別の感覚を呼び起こすという経験はあまり感じることがなかったのでとても面白かった。
ブログのタイトルにあるように、「ドローイング」と呼ぶのか「ペインティング」と呼ぶのか一瞬、悩んだ。調べると『鉛筆やペンで線を引いて絵を描く「draw」。 対して、絵の具やペンキを使い絵を描く「paint」。』とあった。Apple Pencilを使っているし、個人的には「ドローイング」という響きの方が好み。
この機会に「描く習慣」を身につけたいと思う。